多様性を尊重するイギリスで増加中の「フリースクール」とはどんな学校か

イギリスのキャメロン首相は、2015月の総選挙で再選された場合、2020年までに少なくとも500校のフリースクールを新たにオープンさせることを公約したようです。

日本でフリースクールというと、不登校の児童達が通う学校を指すことが多いですが、イギリスのフリースクールはちょっと別のものです。

ここでいうフリースクールは、教育機関やチャリティー団体、保護者の有志などによって運営される学校のことです。

今回の記事では、このイギリスのフリースクールについて感じたことを書いてみたいと思います。

個性的な学校になりやすいフリースクール

フリースクールとして認定されている小学校や中学校は、国からの出資はうけるものの、国の定めたカリキュラムに従う必要がなく、一般の学校と比べて個性的な学校になりやすいといった傾向があります。

例えば、芸術、科学など特定の科目に注力させたり、宗教色を前面にだしたフリースクールもあります。

フリースクールの拡充はキャメロン政権の教育政策の目玉のひとつなんですが、イギリスでは既に400校あまりのフリースクールに認可が降りていて、そのうち約250校が開講しています。

今後、さらに500校のフリースクールができると、公立校のうち30校に1校はフリースクールになる計算です。

フリースクール賛成派と反対派

多くの政策がそうであるように、フリースクール制度にも賛成派と反対派がいます。

フリースクール賛成派は、およそ70%のフリースクールが第3者機関から高い評価(GoodかOutstanding)を受けていることや、こういった新しいスタイルの学校の誕生により既存の学校の質も向上し、国の子供全体に良い影響があると主張しています。

キャメロン首相自身も本制度について、近年のイギリスでもっとも成功している学校施策と述べています。

一方、反対派の代表である労働党ハント影の教育相は、キャメロン政権は本来小学校が必要とされている地域ではなく、すでに十分な小学校がある地域に大金を費やしていると、本制度を非難しています。

労働党はフリースクール構想そのものを廃止することを公約として掲げています。

また、一部からは、フリースクールが熱意ある教師や保護者ではなく、営利目的の私営企業によって運営されていることを問題視する声もあります。

多様性を大事にするイギリス

イギリスは、例えば日本と比べると、非常に多くの国から移民や学生を受け入れています。

古い伝統を大事にする共に多様性をとても尊重している国です。そして、フリースクールのように多様性を尊重する制度が、イギリスの力の源泉の一つになっているんだろうと思います。

各フリースクールに目を向けると、子供たちは近い考えやバックグラウンドを持つ家庭の児童ばかりと接することになるので、かえって多様な価値観接する機会が少なくなる可能性があるってのがちょっと難しい所ですが……。

非常に大きな議論をよんでいるフリースクールですが、イギリス国内でこの制度ができてまだ数年しかたっていないこともあり、その是非を判断するにはもう少し時間が必要です。