自己啓発から卒業!大学生が本当に読むべきおすすめ本10冊

books大学時代を振り返って、何が一番よかったかと言えば、読書の時間を確保できたことです。当時の読書体験が、今の自分を作っているといっても過言ではありません。

今の大学生にもぜひ有意義な読書をしてもらいたいと強く願っています。

ということで、今回の記事では、大学生にぜひ読んで欲しいおすすめの本を紹介します。

ネットで大学生向けのおすすめ本を探すとすぐに自己啓発関係の本が並ぶのですが、ここではそういった本は紹介しません。

何となく成長した気になる自己啓発本の類ではなく、これから長い人生を生き抜くために本当に役にたつ実用的な本を集めました。

ここで紹介する一冊であなたの人生が大きく変わることはないですが、人としてあなたの能力が確実に上がるものばかりです。理系、文系にかかわらず、社会に出る前にぜひ一度読んでみてください。

別に自己啓発本を全否定するわけではないですが、啓発されて意識は高いけど能力が低いって状態で社会にでると、きっと本人が一番辛いだろうから。

これからの人生を楽にするための実用書

年功序列型の雇用形態が失われつつある中で、会社が新人を一から教育するシステムは失われつつあります。つまり、社会でも通用するような基礎的な能力を大学生のうちから自分で磨いておくことが要求されるというわけです。

自己啓発している時間があったら、技術を身につけましょう(結局、自己啓発全否……)。そのためのマストリードを数冊。

論理的思考は読むだけでは身につかない

論理トレーニング101題

論理的な思考力はできるだけ若いうちに身につけておきたい能力です。これは個人的な見解ですが、年をとってからこの能力を鍛えるのは非常に難しいように思います。

巷にはロジカルシンキングと題した本があふれていますが、それらを読むだけで身につくほど安い能力でもありません。

そこでおすすめしたいのが「論理トレーニング101題」。

著者の野矢氏は、この手の論理的思考力本の日本の第一人者ですが、特にこの本は自分の頭で考えることで論理的な思考力が身につくようになっています。まあ、大人のドリルです。

ペンと紙を片手に、実際に問題にチャレンジしながら読んでみてください。

論理トレーニング101題

小学生の読書感想文から卒業するために

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

「考える技術・書く技術」は、新人コンサルタントが読まされる本として有名ですが、僕は大学生にこそ読んで欲しいと思っています。

社会に出てから役に立つのはもちろん、学生レポート、卒論、修論を作成する上でも強力な武器になります。もっと下世話な例をだせば、エントリーシートのレベルアップにも直結します。

僕が所属していた東大の研究室でも、必須図書として代々読み継がれている本です。

この本の要旨は、自分が伝えたいポイントを頂点にしたピラミッド構造の文章を作ることですが、その方法が具体例とともに非常に分かりやすくまとめられています。

熱意だけでは伝わりません。思いを伝えるための技術を身につけましょう。

ま、技術だけでも伝わらないだけどね……。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

一般向けの統計学本は数あれど

統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)
「統計でウソをつく法」は、岩波ブルーバックスの古典的名作の一つです。世界的にも有名な一冊です。

もう50年ほど前に出版されている本ですが、未だに全く色あせていません。

ここ10年くらい統計学がちょっとしたブームになっていて、一般書も数多く出されていますが、具体的な事例が数多く載っていることもあって、最初の一冊として最適な本だと思います。

もちろん、統計でウソをつくためにすすめているのではなく、ウソにだまされないために読んでほしい本です。

統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門

大人が知っておくべき基礎知識を得るための必読書

続いては、大人として絶対に知っておかなければいけない基礎知識を得るための本です。メディアに流されないためにも、最低限の知識を学んでください。

憲法と法律の決定的な違いは何か?

伊藤真の憲法入門[第5版] 講義再現版
ここ数年、若い人の間でも憲法に関する議論が非常に活発です。素晴らしいことですが、中には基本的な知識を欠いた感情論も見受けられます。

特に憲法の場合、個々の条文について議論する以前に、憲法そのものの存在意義について把握しておくことが重要です。

小見出しにも挙げた憲法と法律の決定的な違いについて即答できない人は、まずはこの「憲法入門」を読んでみてください(芦部本を勧める人もいますが、正直なところ1冊目としては敷居が高すぎる気がします)。

入門とは言いながら、ここに書かれていることをしっかり理解できている人は、世の大人の中にもかなり少ないのではないかと思います。

伊藤真の憲法入門[第5版] 講義再現版

学校で習わない昭和史

歴史劇画 大宰相 第一巻 吉田茂の闘争

日本の中学、高校の教育の大きな弱点の1つは、歴史の授業で近代史を扱う時間が極めて短いことです。

日本人の誰もが縄文式土器と弥生式土器の違いを知っているのに、世界大戦後の日本の政治や社会がどのように変化してきたかについて把握していません。

これはやっぱりおかしい。

別に難しく考える必要はありません。大河ドラマと同じように楽しみながら知っていけばいいんです。

歴史の本は基本的にどんなものでも作者のイデオロギーに影響されている部分があるので、色んな本を読むことが大事なんですが、まずはざっくりと概要を押さえる上でおすすめなのが「大宰相シリーズ」です。

これは小説吉田学校をベースにしたマンガで、昭和から現代に至る大きな歴史の流れを楽しみながら(コレ大事)掴むことができます。

歴史劇画大宰相 第1巻 吉田茂の闘争

日本を覆う「空気」の存在

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

初めて「「空気」の研究」を読んだ時はそれほど大きな感銘を受けませんでしたが、海外で暮らすようになって、この「空気」という存在がいかに日本特有のものなのか気付かされることがあります。

特有という言葉が大げさだとしても、日本人というものを理解する上で今なお重要な視点を与えてくれます。

この日本の「空気」は、我が国が戦争に向かった理由の説明としてとりあげられてきたものですが、特定の個人や団体を国民全体で一斉に叩くような最近の雰囲気を見ていると、現代にも十分通じる話のように思います。

評価の分かれる著者ですが、僕は他の著作も含めておすすめしたいです。

「空気」の研究 (文春文庫)

もはや避けられない議論

知ろうとすること。(新潮文庫)

9.11以降、原発問題は日本人である以上避けることのできない議論です。

科学的には多くのデータが集まり、既に決着がついた話がほとんどですが、依然として多くの誤解やわだかまりが国内外に残っています。

「知ろうとすること。」には、こういったわだかまりを解消するための特効薬的な答えは提示されていません。

ただ、このわだかまりを減らすためにはどのような態度でいるべきかの処方箋がしるされています。

ここに書かれている具体的な内容もさることながら、その筆致や姿勢から得られるものが多い一冊です。

知ろうとすること。

インターネットは魔法ではない

【全15巻合本版】角川インターネット講座<角川インターネット講座> (角川学芸出版全集)

常時インターネットが当たり前になり、PCやスマホの使い勝手もどんどん良くなってきました。一方で、そのデバイスやサービスがブラックボックス化されてきているのも事実です。

安全なFacebookの使い方など、身の回りのIT技術に対する理解も大切なことですが、それと同時に大きな流れの中でインターネットというものを捉えて欲しいと思います。

なぜなら、20代の若い人たちこそが、利用者、あるいは製作者としてこれからのITの進化の担い手になるからです。

どのような本を勧めるか迷ったんですが、今後のITの進化を見通す上で、最近読んだ「角川インターネット講座」がその基本的な視座を与えてくれるように感じました。

中でも村井氏による1巻(インターネットの基礎)、山形氏による10巻(第三の産業革命)が素晴らしいです。

内容は一般向けなので、全15巻と壮大なボリュームの割には、それほど時間をかけずに読み通すことができます(とは言え、僕の場合は2ヶ月ほどかかりましたが……)。

合本版の定価は非常に高いのですが、Kindleでは90%オフくらいになることがあるので、そのタイミングを狙って購入することをおすすめします。

【全15巻合本版】角川インターネット講座<角川インターネット講座>

大人になるのが楽しみになる

続いては、自分の未来に対するワクワクが大きくなるような本を紹介します。「学生時代は良かった」なんていう人も言いますが、大人も楽しいです。

あの人が20歳だった頃

二十歳のころ I 1937-1958 (ランダムハウス講談社文庫)

「二十歳のころ」は立花隆氏が彼のゼミ生と共に作った本です。

いわゆるのインタビュー集なのですが、インタビューされる人たちが自身が20歳だった頃をふりかえるというのがテーマになっています。インタビュワーも20歳前後の学生です。

この本でインタビューされている大人たちが20代の頃にどれだけ真剣に生きていたか、あるいはバカをやっていたか、そのエピソードは非常にいい刺激になります。

僕自身、20歳の頃に読んで、自分と彼らとの差に落ち込むと同時に、将来に対する強いモチベーションをもらいました。

ちょっと確認した所、アマゾンでは中古しかありませんが、是非読んで欲しい本です。

二十歳のころ I 1937-1958 

天才物理学者が考えていること

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
稀代の天才物理学者リチャード・ファインマンのエッセー集です。といってもこみ入った物理の話はなく、科学に馴染みのない人でも楽しめます。

僕はこの本から楽しく働く、楽しく生きるとはどういうことかを教えてもらいました。

社会に出ると多くの制限ばかりで不自由になると思っている人は、是非この本を読んでみてください。

世の中にでるのが楽しみになる1冊です(あとはボンゴが欲しくなる……)。

ご冗談でしょう、ファインマンさん

フィクションも読んで欲しい

今回紹介したのは、実用本、ノンフィクションの類ばかりですが、もちろん小説などのフィクションを読むことも精神的な成長に極めて重要です(もちろん娯楽としても)。

特に、想像力や他人に対する共感力を養うには小説が最適とも言われています。

小説の場合は「これを読むべき!」というものではないし、ぜひ色んなジャンルの本を読んで下さい。

ちなみに、青空文庫の無料で読めるおすすめの作品は以下の記事にまとめてあるので、参考にしてみてください。