移民を表すemigrant、 immigrant、migrantの違い【紛らわしい英語】

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今回の記事では、移民を意味するmigrantとこれによく似たemigrant、immigrant、更にはrefugeeがどのように違うのかを解説します。

これを書いている2015年9月現在、ヨーロッパの主要各国では、中東やアフリカからやってくる移民が大きな話題です。

僕が暮らすイギリスでも、地中海を渡ってヨーロッパにやってくる彼らの映像が「欧州の移民問題 (Europe migrant crisis)」といった見出しと共に、連日テレビや新聞の一面を飾っています。

これを機会に、移民に関する英単語をまるっと覚えてしまいましょう。

Oxford dictionariesによる説明

Oxford dictionariesによると、emigrant、immigrant、migrantは以下のように説明されています。

Emigrant
A person who leaves their own country in order to settle permanently in another.

Immigrant
A person who comes to live permanently in a foreign country.

Migrant
A person who moves from one place to another in order to find work or better living conditions.

いずれの単語も移住する人、すなわち移民を意味するわけですが、emigrantは自国から別の国に出る人 (who leaves their country)を指しさす。 一方、immigrantは自国から仕事などのために別の国に来る人 (who comes to live)を意味します。

ですから、海外旅行時に現地の空港で行われる入国審査は、エミグレでは無く、イミグレになるわけですね。

これらに対し、migrantはある場所からある場所へ移る人を意味し、emigrantやimmigrantのように特定の方向性は持ちません。

渡り鳥を意味する単語がmigrantであるのも納得できると思います。

接頭辞に注目すれば区別は楽勝

この3つの似た英単語の意味の違いは、紛らわしくて記憶するのがちょっと難しそうですが、各単語の接頭辞に注目すればすんなりと覚えられるはずです。

まず、emigrantは上に書いたように、ある場所から外へ出る人を意味します。

このemigrantの頭に着く接頭辞のe-は、「外へ」という意味のex-から派生したものです。export(輸出する)などと同じですね。

一方、immigrantは、ある場所に入ってくる人を意味しますが、接頭辞のim-は、もうお分かりの通り、中へを意味します。import(輸入)と同じです。

e-もim-も付かないmigrantが特定の方向性を持たないこともこれで簡単に納得してもらえるんじゃないかと思います。

この3つの英単語は、いずれも「移民の」という意味の形容詞としても使われますが、その際にもemigrantは、「(出て行く)移民の」、immigrantは「(入ってくる)移民の」という意味になります。

また、原則として生涯他の国で暮らすことを前提とした表現であるemigrant、immigrantに対し、migrantは、季節労働のといったニュアンスを持つことがあります。

じゃあrefugeeは?

日本語ではこれらの単語がすべて「移民」で済んじゃうってことが、これまで日本では良くも悪くも移民問題が大きなアジェンダになってこなかったことをあらわしてるんじゃないかと思います。

さて、この話題を海外ニュースなどで読む時にもう一つだけ知っておきたい単語があります。

それはrefugeeです。

Oxford dictionariesでは次のように定義されています。

A person who has been forced to leave their country in order to escape war, persecution, or natural disaster

refugeeも自分の国から出て行く人を意味するわけですが、migrantとの違いは、refugeeには政治紛争などが理由で元の国から立ち退かざるを得ない(be forced)というニュアンスが含まれることです。

日本語では移民というより難民と訳した方がしっくりくると多いと思います。

基本的にはrefugeeはmigrantの中の一部の人という位置づけになります。

例えば、東ヨーロッパからより良い生活を求めてイギリスに来る人は、migrantではあるけれども、refugeeではありません。

一方で、最近、中東などからヨーロッパに来ている人たちの中には、自国があまりに危険なため、やむなく逃げてきた人も多くいます。

そういった意味では、彼らの中には単なるmigrantではなく、refugeeも多く含まれていると言えるでしょう。

海外のニュース記事を読む時には、こういったちょっとした意味の違いやニュアンスの差にも注意してみると、より深い理解ができるんじゃないかと思います。