東京五輪に参加したいのでロンドン・リオのボランティア情報を集めました

オリンピックエンブレム

新国立競技場やエンブレムの件で何かとお騒がせな2020年の東京オリンピック・パラリンピックですが、心待ちにしている人も多いんじゃないかと思います。

せっかくの機会ということで、ボランティアとして参加したいと考えている人もいるでしょう。僕もその一人です。

今回の記事では、東京オリンピックにボランティアとして参加することを考えている人に向けて、2012年に実施されたロンドン、今年の夏に予定されているリオのオリンピック・パラリンピックのボランティア情報について紹介します。

2016年1月現在、東京オリンピックのボランティアに関する具体的な情報はまだあまり出回っていません。でも、過去のオリンピックの状況を見ると、オリンピックのボランティアって、実はとても狭き門なんです。

まだまだ先の話と考えてうかうかしている暇はありません。

ロンドン五輪のボランティア状況

イギリス国旗

まずは、2012年に開催されたロンドン五輪からいきましょう。ロンドン五輪の公式サイトやイギリスのニュースサイトの記事などをもとに情報を整理しました。

それにしても、ついこの間だと思っていたロンドンオリンピックからもう4年近くたっているとは……

7万人のボランティア枠に24万人の応募

2012年ロンドンオリンピック・パラリンピックには、多くのボランティアが参加しました。彼らは「試合を作る人」を意味する"Game Makers"と呼ばれ、文字通り大会を作り、盛り上げてくれました。

ボランティアのプログラムが発表されたのは大会約2年前の2010年9月ですが、7万人の募集がかかりました。ボランティアは、最低でも大会期間中の10日間の業務と3日間の事前トレーニングへの参加が必須という厳しい条件が公表されていましたが、24万人を超える人が応募するという結果となりました。

書類選考、面接選考を通じて選ばれたボランティアは、80余りの会場で、来場者案内、通訳、健康・医療サービス、警備など様々な活動に従事しました。

ちなみに、Game Makersたちがどのように活躍したかは、BBCIndependentなどの記事(どちらも英語)でも読むことができます。

ボランティア登録からオリンピックまでのスケジュール

ボランティアプログラムへの応募から、オリンピック当日までの流れは以下のようなスケジュールで進みました。

  • ボランティアプログラムの発表、応募:2010年9月
  • 第一次選考:2010年11月
  • 面接選考:2011年1月から約1年間
  • 最終選考結果発表:2011年10月から随時
  • オリエンテーション:2012年2月
  • 正式認定、ユニフォーム配布:2012年4月
  • 現地トレーニング:2012年6月
  • オリンピック本番:2012年8月5日-21日

選考過程

気になるボランティア選考の過程ですが、24万人を超える応募の中から第一次選考で約10万人まで減らされ、次の面接試験で最終的な7万人が選抜されました。面接試験の手間やコストを考えると、一次の書類選考でできる限り候補者を絞るというのは当然でしょう。

オンラインでの応募では、これまでのボランティア経歴や専門スキルを登録するので、これらが選抜過程の評価対象となったはずです。

一方、面接では、ロンドンのいくつかの会場に候補者が集められて、ボランティアへの意気込みや取り組みたい活動内容などを聞かれたようです。10万人の中から7万人を選ぶ面接なので、良い人を選ぶというよりは、変な人を落とすという意味合いが強かったのだと思います(コミュ力が著しく低い人とか)。

まずはいかにして書類選考で勝ち残るかがボランティアへの参加可否のきもになったわけですが、これはおそらく東京オリンピックでも同様の流れになるでしょう。

ロンドン観光アンバサダー制度

ロンドン2012では、いわゆるオリンピック・パラリンピックのボランティアとは別に、ロンドン・アンバサダーという名の都市案内ボランティアも活躍しました。

この業務には3万人の応募者の中から約8000人が採用されました。彼らは、オリンピックとパラリンピックの開催期間中のおよそ1ヶ月半の間、ロンドンの要所や空港などで、主に海外から来る観光客に対して、案内や情報提供を行っていました。

日本でもオリンピック・パラリンピックのボランティアとは別の枠で、こういった都市案内役の募集も予定されているようです。

こちらの選考基準は明らかになっていませんが、海外からのお客さんに対する都市案内がメインということで、外国語(ここではもちろん英語以外)の能力が問われたんじゃないかと思います。

リオ五輪のボランティア状況

ブラジル国旗

続いては、この夏にブラジルのリオで開催される夏季五輪のボランティアの情報です。

この記事を書いている現在、リオ2016まであと半年余りありますが、すでにボランティアの選抜が進んでいます。現時点でわかっている範囲でどのような選考だったのかを紹介します。

リオでも7万人の枠に24万人が応募

リオで実施される夏季オリンピックでも7万人のボランティアが募集されました。応募した人の数はなんと24万人。報道によっては、23万だったり、25万だったりもするのですが、いずれにせよほぼロンドンと同じです。

リオ2016で募集されたボランティア活動の内容は以下のように分類されています。ボランティア申し込み時に、自分が携わりたいものを3つ選ぶようになっています。

  1. サービス全般
  2. スポーツ
  3. プレス
  4. 運営サポート
  5. 開会式、閉会式のサポート
  6. 通訳、翻訳関連
  7. 健康・医療関連
  8. IT技術サポート
  9. 交通サービス

応募からオリンピックまでのスケジュール

リオオリンピックボランティアの公式ガイドブック(以前は英語で書かれたオンライン版が読めたのですが、今はなくなってます)によると、オンラインでのボランティアプログラムへの応募から、オリンピック当日までの流れは以下のようなスケジュールがくまれていました。

  • ボランティアプログラムへの応募:2014年11月まで
  • オンライン語学研修:2014年11月から
  • 面接選考:2015年2月-2015年5月
  • 選考結果発表:2015年6月
  • トレーニング:2015年8月- 2016年6月
  • 正式認定:2016年7月
  • オリンピック本番:2016年8月5日-21日

ただし、実際に選考結果の発表があったのは昨年の11月なので、ちょっと遅れ気味何じゃないかと思います。競技場とエンブレムでもめている日本が言える立場じゃないですが……。

ボランティア応募の要領

ボランティアになるためにまず必要なのはオンラインでの応募です。これは以下のような6つのステップで進んでいきます。

  1. 氏名、連絡先、ユニフォームサイズなどの個人情報の登録
  2. 連絡先の詳細と言語設定
  3. 過去にボランティアとして参加したイベントやその時の業務内容の登録
  4. 言語、スポーツ、医療、交通整理などに関するスキルの登録
  5. ボランティア期間、希望業務分野の登録
  6. 利用条件 (Terms and Conditions)の確認で応募完了

応募ページなどがあるボランティアのポータルサイトはブラジルの母国語であるポルトガル語と英語が選べるようになっています。

ボランティア期間は原則として10日以上、希望業務分野は上に挙げた9つのエリアから3つを選べます。

このオンラインでの書類選考とその後の面接がそれぞれどの程度の倍率だったかはわかっていません。ただ、これだけの規模で面接をする大変さを考えれば、ロンドンと同じように書類選考でかなり絞っているんだと思います。

東京オリンピックでボランティアになるためには

2020年の東京オリンピックでも「大会を盛り上げたい」、「生の雰囲気を近くで感じたい」、「自分の力を活かしたい」、「あわよくば選手とお近づきになりたい」など、様々な理由でボランティアを希望する人が沢山いるはずです。

ただ、ロンドン、リオもオリンピックを見ると、ボランティアが非常に狭き門であることがわかりました。人口や国民性などを考えると、東京ではロンドン、リオ以上にシビアな競争になることも十分に考えられます。

しばらく前には、エンジニアがボランティアとしてタダ働きすることを国が期待するなんてけしからんという話もありましたが、むしろボランティアしたくてもできない人は沢山でてくるはずです。

そこで、ロンドンとリオの状況を踏まえて東京オリンピックでボランティアとして参加するには何をすればよいかを考えてみました。

専門性のない人は語学力を身につける

ロンドン、リオのいずれも一次の書類選考で、専門性やスキルを聞かれています。特殊なスキルを持った人が当然優遇されるのは当たり前です。

東京オリンピックの場合でも、医者、看護師などの医療関係者やネットワーク技術者のような高い専門性をもった人は、その専門性と関係が深いボランティア業務で活躍する場所が与えられる可能性が高いと思います。

ただ、こういった専門職の人がそう簡単に長期のボランティア休暇をとれるかは疑問ですし、実際には専門スキルのない人も沢山選ばれるはずです。

また、多くの人が気になるのがボランティアになるのに必要な英語力だと思います。

Rio 2016の公式サイト内にあるFAQによると、ボランティアになるにあたって、通訳や来賓接待などを除き、必ずしも英語をはじめとする第二外国語を使える必要はないとのことです。

さらに、リオの場合、ボランティアプログラムに登録した人には、オンラインの外国語学習コースが提供されています。

とはいえ、楽観視はできません。募集される枠に対して、応募数が非常に多くなるからです。通訳や外国人対応などの活動はもちろんですが、多くの業務で英語が使えることにこしたことはありません。

それは主催者側も当然わかっていることなので、ボランティア選考において英語をはじめとする語学力は間違いなく判断基準の一つになると思います。

特に専門的な技術がない人は、専門とまではいかずとも、日常会話ができるレベルの英語力があることをアピールすることで、狭き門を突破できる可能性が高まるはずです。

ボランティアに求められる英語力についてはこちらで詳しくは解説します。

早めの情報収集、準備を!

東京オリンピックのボランティアがどのような選考基準で選ばれるかわかりませんが、自分がどのような活動で貢献をしたいのかをイメージして、それに必要な知識や能力を今から高めておきましょう。

また、書類面接では、過去のボランティア経験を問われる欄があるはずなので、そこでアピールできるように、今からマラソンやスポーツイベントのボランティアに参加しておくのも良いと思います。

これは、スポーツイベントのボランティアがどんなものかを知るという意味でも大切なことです。

「何か思ってたんと違う……」って気づいて、オリンピックはひたすら観戦して楽しむという方向に転換するのもありだと思います。

僕が知る限り、東京オリンピックのボランティアに関して、それほど具体的な情報は今のところ出てきていませんが、中には気になる情報もあります。

例えば、日本セーリング連盟は、今後日本で行われるセーリングの大会運営のためのボランティアを募集しています。

なんてことないボランティアの募集に聞こえるかもしれませんが、このボランティアへの参加は、東京オリンピックでのボランティアに大きく繋がる可能性があります。

同連盟は運営ボランティアに参加した人の一部を対象に、オリンピック・パラリンピック組織委員会に対してボランティアとして選抜するよう推薦書を出すようです。

2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会の正式なボランティアになるためには、組織委員会の選考を受けなければならず、この推薦がどの程度影響するかはわかりませんが、強いバックアップになるのは間違いないでしょう。

このように、一部の団体はすでに動き始めているので、早めの情報収集、早めの準備が大事です。

ボランティアの応募に備えて英語を勉強したいけど、何をやればいいかわからない人は、こちらの記事などを参考にして下さい。誰でも英語がしゃべれるようになる具体的な勉強法をまとめています。

また、英語以外の言語、特にスペイン語、ポルトガル語などは、世界で使用されている割合に対して、使える日本人の割合が少ないことから、重宝されるんじゃないかと思います。

英語に自信がなければ、思い切って今から新しい言語を始めるというのも一つの手です。

あと4年。まだまだのようであっという間かもしれません。

***2016年7月7日追記***

ようやくオリンピックのボランティアに関する情報が少しずつ出てきました。

7月4日付けの朝日新聞の記事によると、組織委員会は以下のような人材を望んでいるようです。

  • コミュニケーション能力がある
  • 外国語が話せる
  • 1日8時間、10日間以上できる
  • 採用面接や3段階の研修を受けられる
  • 20年4月1日時点で18歳以上
  • 競技の知識があるか、観戦経験がある

まだ詳細は分かりませんが、やはりロンドンやリオと同じような状況ですね。これを見て「ブラックすぎる!」「参加する人いない!」という反応があまりに多いので、ちょっと反論記事を書きました。。

ちなみに、新しい情報が入ったら随時このブログでも紹介していきますので、東京五輪のボランティアに興味がある人は定期的にチェックしてもらえると嬉しいです。