日本人の美徳「謙遜の心」は海外で働く上で通用するのか

japanese謙遜の精神は日本人の美徳の一つとされています。

僕自身は、以前はあまり意識していませんでしたが、海外で働き、色んな国の人と接する中で、この謙遜という考えが必ずしも万国共通のものではないということを知りました。

これが日本にしか無い考えだというつもりもありませんが、日本人の中にこの謙遜の精神を持っている人が多いのも確かだろうと思います。

君は非常に日本人的だね

先日、職場でちょっとしたプレゼンをする機会がありました。

ここしばらく取り組んでいた仕事でそれなりに面白い成果がでたこともあり、上司から、その内容をグループミーティングで同僚に紹介するように指示があったからです。

パワーポイントを使って最近の仕事について30分程度で紹介をして、同僚にもそれなりに興味をもって聞いてもらえたように思います。

ミーティングの後、いつものようにパブに繰り出しました。

たまたまその上司と僕が先に着いたので、二人で少し話をする時間がありました。

そこで彼が言ったのが、

「今日のプレゼンはエクセレントだった。でも、君は非常に日本人的だね。」

という言葉です。

「どういう意味ですか?」

彼はイギリス人ですが、日本にも何度もいったことがあり、これまでに何人もの日本人と仕事をしているので、それなりに日本人について知っています。

「君はあまりにも"modest(控えめ)"過ぎる。」

謙遜は通じない

上司いわく、今回の仕事は凄い良い成果なので、もっとその凄さを強調するべきだということです。

今回はグループ内のミーティングだから良かったかもしれないけれど、対外的に発表するような場合には、あのアピールの仕方では不十分だとも付け加えられました。

誤解のないように書いておくと、彼はちょっとしたことに対しても凄い褒めてくれるタイプの人なので、客観的に僕の仕事がそれほど凄かったわけではありません。

ただ、彼が言うには、多くの日本人は自分がやったことに対するアピールが非常に控えめ、もっと言えば下手だということです。

「控えめな態度は日本人の素晴らしい点だということはわかる。ただし、世界では謙遜の精神を理解してくれる場所は少なく、単に自信がないようにとられることが多い。そしてそのような態度では勝てない。」というのが彼の主張でした。

海外で仕事をするということ

彼の話を聞いたあと、何日か考えてみましたが、未だに何が正解かは分かりません。

自分の成果をきちんとアピールする重要性はもちろん分かりますが、それを過剰に盛ることには抵抗があります。それは結局自信のなさの現れだと言われればそれまでですが。

ただ、一つ言えるのはグローバルに仕事をするというのは英語ができればいいという単純な話ではないということです。

今回紹介したのは一例にすぎませんが、これまでに身に染み付いている日本人であることのアイデンティティを大きく揺さぶられるような状況が次々と襲ってきます。

そしてそこには明確な答えはありません。誰かにとっての正解が、他の誰かの正解とは限らないからです。

このことはは、将来海外で仕事をしたいと思っている人、あるいは日本で暮らしる人でも国際的な競争相手がいる中で真剣に仕事をしたいと思っている人にはぜひ知っておいてもらいたいことです。

そして、こういった自分のナショナリティやパーソナリティに対する葛藤こそが、海外に出ることの醍醐味の一つでもあり、僕が若い人に海外に出ることを勧める理由の一つでもあります。