今秋日本に上陸する動画配信サービス『ネットフリックス(NETFLIX)』とは何か?

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ネットフリックス(NETFLIX)を知っていますか?これは世界最大の動画配信サービスで、僕が住んでいるイギリスでも、非常に多くの人が利用しています。今回は、この秋に日本にも上陸することが決まっているこのNETFLIXについて紹介します。

世界最大手の動画配信サービス

NETFLIXは世界最大手の動画ストリーミングサービスですが、もともとはアメリカでDVDの宅配からスタートした会社です。

同社は、1997年にマーク・ランドルフ(Marc Randolph)と現CEOのリード・ヘイスティング(Reed Hasting)の二人によってカリフォルニアで誕生しました。もともと、ヘイスティングがレンタルビデオ屋から借りていた『アポロ13』を返し忘れ、延滞料が40ドルにも膨れ上がったことがきっかけで、定額のDVDレンタルサービスを思いついたとのことです。

現在では40ヶ国以上で展開されていますが、アメリカを除くほとんどの国では、映像のストリーミング配信の形でサービスが提供されています。そして、いよいよこの秋には日本にも上陸することが正式に公表されています。

NETFLIXの3つの魅力

豊富なコンテンツをいつでも見られる

主なコンテンツは、TVドラマ、映画で、いずれもかなりの量があります。もちろん、コメディー、SF、アクション、ホラー、インディーズ物などあらゆるジャンルの映像が取り揃えられています。

結構旧作が多いのは確かなのですが、話題のブレイキング・バッド(BREAKING BAD)やスーツ(SUITS)といった話題のドラマも多くラインナップされています。

キッズ関連の作品も充実しており、ディズニー作品の一部やPeppa Pigなどのイギリスで大人気の子供向けアニメ、さらにはポケモンや遊戯王などもあります。

 

毎月定額、しかも安い

イギリスの場合は料金プランが以下のように3つに分けれています。ちなみに僕はStandardにしていますが、ほとんどの人がこのプランで契約していると思います。

ケーブルテレビの契約が毎月4、5000円かかるのに比べると極めてリーズナブルな設定です。日本でサービスを開始する際の料金がどうなるかは分かりませんが、おそらく1000〜2000円の間あたりに落ち着くのではないかと思います。

Basic Standard Premium
月額料金
£5.99

(¥1,100)

£6.99

(¥1,260)

£8.99

(¥1,620)

HD対応
× ◎(ウルトラHD)
同時視聴可能な装置の数
1 2 4

ハウス・オブ・カード(House of Card)などのオリジナル作品

もう一つの魅力は、NETFLIX自身で製作しているオリジナルドラマです。オリジナルドラマというと少し低予算のB級作品をイメージするかもしれませんが、全く違います。

例えば、『ハウス・オブ・カード 野望の階段 (House of Cards)』というオリジナルドラマは、セブン、ファイト・クラブ、最近ではゴーン・ガールでおなじみのデイビッド・フィンチャーが製作総指揮、そしてLAコンフィデンシャルやアメリカン・ビューティーのケビン・スペイシーが同じく製作総指揮と主演で参加しています。

このドラマは、アメリカのホワイトハウスを舞台にしたかなり大掛かりな作品で、制作費は100億円を優に超えているようです。

2014年にネット配信で公開されているドラマとして初めてエミー賞を受賞したほか、TV部門の主演男優賞などでゴールデングローブ賞もとっています。現在では第3シリーズが配信されており、既に第4シリーズの製作も決まっています。

アメリカの政治に通じていない僕にとっては、見ていて理解できない部分があります。ただ、専門的なところが多少分からなくても、プロットがよくできているせいか、次の展開が待ちきれないほど引き込まれます。

また、やはり主演のケビン・スペイシーの演技がすばらしく、本当にこういう政治家いるかもしれないなあというリアリティを感じます(こんな極悪人が本当にいたら困りますが)。

このハウス・オブ・カード以外にも、『デアデビル』、『マルコポーロ』といったドラマから、コメディ、子供向けプログラム、さらには『シドニアの騎士 (Knights of Sidonia)』という日本の漫画が原作のアニメ作品など、多くのNETFLIXオリジナル作品が作られています。

アメリカやイギリスでは、これらのオリジナル作品を見たいがゆえにNETFLIXに加入するという人も増えているようです。

REGZA、VIERAの一部はすでにNETFLIXに対応

ホリエモンが看破したように、既存テレビ局の強さがリモコン利権だとすると、これはむしろNETFLIXにとっては追い風かもしれません。というのも、アメリカなどでは、NETFLIXの利用を想定し、テレビのリモコンの多くにNETFLIXボタンがついているのです。そして、その流れはすでに日本にも来ており、東芝のREGZA J10シリーズ、パナソニックのVIERAのCS650, CS600シリーズは、すでにNETFLIXに対応したリモコンが付属しています。

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VIERA HPより

リモコンにNETFLIXボタンが付いているだけですが、これで使い勝手は大きく変わります。ケーブルテレビなどを見る際などに必要な、まずテレビのリモコンで入力切り替えボタンを押し、さらにケーブルテレビ用のリモコンでチャンネルを操作するといった手間が省略できるのは大きいです。

また、依然としてネットに警戒心を持っている層に対して、国産のテレビメーカーがお墨付きを与えているサービスであるという安心感を与える効果もあるかもしれません。

いずれにせよ、リモコンにボタンをつけるというのは簡単にでき、大したコストもかからないので、今後、他のテレビメーカーもこの流れに追随するのはまず間違いないでしょう。

Hulu, Amazonと共に動画配信戦国時代

NETFLIXが日本で動画のストリーミングサービスを提供する際には、HuluやAmazonインスタント・ビデオあたりが競合となるでしょう。

HuluはNETFLIXと同じく定額制で、933円/月と比較的リーズナブルな価格設定に加え、視聴できる作品数もかなり増えてきています。また、『ラストコップ(THE LAST COP)』という唐沢寿明主演のオリジナルドラマを配信する計画もあり、NETFLIXの前に大きく立ちはだかる存在になるのは間違いないでしょう。

NETFLIXがテレビに強いというのは、大きなアドバンテージかもしれませんが、いくらNETFLIX対応のテレビが増えたとしても、最終的には日本でどのようなコンテンツを提供できるかが一番のポイントになるはずです。

上にも書いた通り、NETFLIXの魅力の一つはオリジナル作品ですが、House of cardsなどの欧米で人気のドラマも、必ずしも日本でそのまま幅広い層に受け入れられることはないでしょう。

それはNETFLIXも十分に認識しているはずですから、サービス開始直後から、日本向けに新たにオリジナルコンテンツを充実させていく可能性も十分にあると思います。そうなってくると、テレビ局などの既存のコンテンツメーカーは、その存在意義が問われることになるかもしれません。

アイキャッチ画像: NETFLIX