【祝東京五輪】日本のレストランに期待する外国人向けのおもてなし

tokyo僕が海外で生活を初めてから強く感じることの一つは、日本のレストランのサービスは本当に素晴らしいってことです。

慣れた日本語での接客ってことはもちろんあるんですが、ファミレスやマックの定員にいたるまでしっかり教育されているっていうのは、他の国ではなかなかありません。

たとえそれがマニュアルに沿った笑顔だとしても、無愛想にされるより1億倍ベターです。

「こちらでよろしかったでしょうか?」「お釣りは○○円からになります。」といった些細な言葉の使い方が話題になるということも、それだけベースがしっかりしているということの裏返しです。

それでも、もう少しこうすればもっと良くなるのにということはあります。特に、外国人がお客さんだった場合を想定すると、改善点すべき点は間違いなくあります。

僕がこんなことを考えているのは、2020年に東京オリンピック・パラリピックを控える日本が、今後好むと好まざると、これまで以上に多くの外国人を「お・も・て・な・し©滝川クリステル」することになるからです。

爆買が流行語に選ばれたり、最近のニュースでも訪日外国人が出国日本人数を上回ったことが話題になっていましたね。

今回の記事では、来るべき東京オリンピックに向けて、日本のレストランに期待したいサービスについて勝手に考えてみました。

特に飲食店に関連する仕事をしている人に読んでもらえたら嬉しいです。

日本のサービスに対する相反する印象

僕は海外に住んでいることもあり、日本に行ったことがあるという外国人と話をする機会は沢山あります。社交辞令もあるかもしれませんが、ありがたいことに多くの人が日本という国に対してポジティブな印象を持ってくれているように思います。

特に、料理については、ちゃんとした会席料理からラーメンにいたるまで、その味はもちろん、プレゼンテーションや値段も含めて非常に評判がいいです。これは、美食の国から来たおフランス人や四千年の伝統ある食文化を持つ中国人からも聞く話です。

ただ、日本のレストランにおけるサービスについては、非常に良い印象を持っている人もいれば、ちょっと残念だった、困ったという人もいます。

結構正反対な考えを聞くので面白いと思っていたのですが、最近その理由が分かってきました。

日本のレストランのサービスに満足していた人の多くは、日本を訪れた際に日本人のガイドや友人などがアテンドしていました。一方、日本のサービスに不満を感じていた人は、旅行ガイドやインターネットだけを頼りに、自分で日本を周っていました。

両者の違いは、端的に言えば日本語の通訳がいたかどうかです。

日本のレストランに不満を感じた人の多くは、日本でのコミニュケーションが予想以上に難しかったことに戸惑ったようです。

外国人は日本語が全く分からない

「日本人はみんなとても親切だった。でも言葉が……」というのを何度聞いたことか。これは、タクシーの運転手、駅員、レストランの店員が英語が苦手ということだけじゃなく、街にあふれる日本語オンリーのサインなんかも含めての不満です。

例えば、イギリス人がヨーロッパを旅行する場合は、それほど困らない場合が多いんだそうです。英語じゃなくても、何となく意味が想像できたり、少なくとも観光地では英語がそれなりに通じるからです。

ヨーロッパ以外でも、フィリピンやタイのように、観光が主要な産業の一つになっている国はもちろん同様です。

一方、当たり前の話ですが、日本語だけの表示は彼らには全くわからないので、結構大変だったという欧米人は多いです。

日本人には、彼らがどれだけ困るかが、感覚としてなかなか理解できないじゃないかと思います。

というのも、自称英語が全然できないという日本人も、なんだかんだでそれなりにできるからです。

例えば、いくら英語が苦手でも"London"を読めない日本人はほとんどいないけど、「東京」を読める欧米人なんてそういません。

ドアに書かれた"Push"と「押」だって、メニューに書かれた"Beer"と「ビール」だって同じです。

というわけで、日本の飲食店が海外からお客さんにサービスを提供する場合、まずは言葉の問題を出来る限り小さくしてあげることが何より大事です。それが一番大事。

僕が実際に話を聞く限り、日本人の心配りとか親切心について疑問をもっている外国人はいません。

繰り返しますが、言葉の問題を解消することで、外国人の満足度は大きくアップするはずです。

日本のレストランへの提案したいこと

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前置きが長くなりました。それでは、訪日経験のある外国人に聞いた話や、僕自身が海外で暮らしたり、旅行した際に感じたことを踏まえて、日本のレストランに対して提案したいことを具体的にあげてみます。

メニューの多言語化+写真

言葉の問題を少しでも減らすためには、まずは日本語の文字だけが並んだメニューをやめることです。メニューに英語と中国語を併記するとかなり多くの外国人のニーズがカバーできます。

英語がそれほど得意でない外国人でも、Beefなのかchickenなのかvegitableなのかが分かるだけでも、十分助かるはずです。

どうやって訳せばいいかわからなければ、とりあえずGoogle翻訳レベルでもいいと思います。

加えておすすめしたいのは、全ての料理名に写真と番号を入れることです。英語や中国語のちゃんとした翻訳が難しくても、写真を載せるのは手間さえかければできないことはないと思います。

これはお客さんに外国語で色々質問されて困ってしまうのを防ぐことにも繋がるので、店側にも大きなメリットがあるはずです。

アレルギー食品の記載(グルテンフリー)

最近では、日本でもアレルギー食品に対する説明が増えてきていると思います。これはとても良いことですがが、日本であまり考慮されていないのがグルテンの含有に対する表示です。

日本でもダイエットや美肌といった文脈でグルテンフリーという表示を見ることがありますが、欧米ではグルテンはアレルギーの代表格です。日本でもアレルギー表示義務7品目に含まれている小麦ですが、欧米ではちょっと別格として扱われています。

というのは、欧米にはグルテンを多量に摂取すると体調不良になる人や、腸などに炎症が起きるグルテン過敏症という体質の人が日本人以上に多くの割合で存在するからです。

僕が暮らすイギリスでも、多くのレストランのメニューに、アレルギー表示やベジタリアン向きかどうかと並んで、グルテンフリーかどうかが書かれています。

グルテンフリーの料理をわざわざメニューに追加することまではしなくても、もし今ある料理の中にグルテンフリーがあるならば、それをメニューにしっかり表示すると親切だと思います。

ハラル対応に注意

もし、イスラム圏からのお客さんが来ることを想定してハラル対応について考えているのであれば、それは素晴らしいことだと思います。

ただ注意しなければいけないのは、ハラル対応は単に豚肉やその油を使わなければ良いという単純なものではないということです。

欧米でも時々とり上げられるのが、ハラルと表示されているのに、ハラルじゃなかったという問題です。

ハラル対応とはイスラム法で合法な材料や調理方法で作られた料理を提供することですが、豚から精製された酵素もNGだったり、豚と一緒に輸送された牛や鶏もだめだったりします。

厳密にハラルとして認証を受けるには、従業員にムスリムがいることが条件になることもあります。

実はお酒をたしなむムスリムも結構いたりして、どこまで厳しく戒律を守るかは個人個人で違うんですが、不用意にハラル対応を謳って、その配慮が裏目にでるのはもったいないので、しっかりと情報を確認しましょう。

下記のサイトに色んな情報が載っていて参考になると思います。

日本ハラール協会

店前の料理見本ディスプレイ+価格の表示

日本人にとっては、目の前にある店が中華料理屋か韓国料理屋か日本料理屋かは店構えを見ればまずわかります。ただ、多くの外国人(特に非アジア人)によって、この区別は困難です。

どんなレストランなのかが外から分からないというのは、その店に入ることを躊躇させる大きな要因になります。

幸い、日本には素晴らしい料理見本の模型が沢山あります(東京の河童橋商店街で売られているようなやつ)。

これが一つ店の前に置いてあるだけで、一見さんにとってはとてもありがたいです(まあ、僕の知り合いの中にはキムチを日本料理だと思っているイギリス人もいましたが)。

もちろん、その店の価格帯がわかるような情報や子供がOKかどうか、車椅子でも大丈夫かなどの情報もとても助かります。

トイレは英語とピクトグラムで

これは僕が以前にヨーロッパのどこだかの国に行った際に困ったことです。

レストランのトイレに2つのドアがあったのですが、表示が現地の言葉だったので、どちらが男性用で女性用か全くわかりませんでした。

トイレの前でオロオロしながら立ち止まっているアジア人はさぞかし怪しく見えたことでしょう。

小さなことと言えばそれまでですが、英語とわかりやすい絵で示して欲しいです。もちろん、和風居酒屋なんかで見る「厠」や「お手洗い」なんていう表示も、せめて英語が併記してあるといいですね。

そもそもピクトグラムは、前回の東京オリンピックで日本が積極的に活用してから、世界各国に広まったとも言われています。

ピクトグラムを普及させた国として、是非これからもガンガン使っていってほしいと思います。

食事途中の声掛け

イギリスのレストランでは、必ずと言っていいほど食事の途中にウェイター、ウェイトレスがテーブルに来て「何か問題ないですか?」「満足いただいてますか?」といった声掛けをしてきます。

日本でもホテルのレストランなどでは当たり前のことかもしれませんが、イギリスではちょっとした食堂やファミレス、パブ(食事を頼んだ場合)でも同様です。

正直言うと、僕自身はこういう声掛けがあってもなくてもどっちでもいいです。

でも、イギリスのレストランのレビューに「ここはサービスがひどい!ウェイターがテーブルに状況を確認しに来ることすらしなかった!」なんていうコメントが投稿されているのを見ると、こちらでは僕が考えている以上に必須のサービスとして認識されているようにも感じました。

これが世界共通のサービスとは言いませんが、この声掛けがないことに不満を覚える人がいるということは知っておいていいと思います(言葉ができないと難しいっていう問題はあるんですけどね)。

また、大きな声で店員を呼ぶことが不躾だと認識されている国があります。

そういう人がウェイターに話をしたい時は、声に出さずに目力を込めて念力を送ってくるはずです。お客さんから念力が送られていないかを時々確認できるような余裕があるといいですね。

これをチャンス

なんか思い出すままに、上から目線で注文ばかりつけてしまいました。

出羽守になるつもりもなく、これがグローバルスタンダードだと鼻息荒く主張する気はさらさらありません。必要なサービスは店の種類によっても違いますし。

でも、日本を訪れた外国人には少しでも満足して帰ってもらいたいというのは強く思います。「日本に行ったことあるけど最高だった!」って言ってくれる人に会うと、やっぱり嬉しいですからね。

メニューの多言語化やアレルギー、ハラルの表示など、一見すると面倒くさい対応に思えるかもしれません。でも、日本のレストランには、これをチャンスと捉えてほしいと思っています。

今はレストランの評判なんかがインターネットやSNSで簡単に広まります。もし海外のお客さんにきちんと対応したサービスをすれば、その評判も間違いなく拡散されるはずです。

アジアからの訪日客にはリピーターも多いようなので、その店のファンになってくれるかもしれません。

今回は、どちらかというとハード面でのサービスを中心に書いてきましたが、もちろん一番大事なのは、ニコニコと笑顔で接客するです。これは本当に大事です。

僕はこれまで色んな国に旅行している方だと思いますが、その国の印象って必ずしも観光スポットの凄さでは決まりません。そうではなくて、街を歩く女性がどれだけべっぴんかふらっと入った食堂の雰囲気やその店の店員の愛想の良さで決まったりするんですよね。