バレンタインにチョコレートを渡す風習はビクトリア時代のイギリスに由来

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先日、イギリスの地方都市にある我が家の近所のデパートに行ったところ、まだ一月の頭だというのに、早くもバレンタインデー用ギフトの特別展示スペースができていました。ついこの間までクリスマス一色だったのに、イギリスもなかなか商魂たくましいですね。

バレンタインデーと言えばチョコレートですが、この日にチョコレートを贈るのは日本だけだと思ったら大間違いです。日本ではお菓子メーカーのマーケティング戦略で広まったとされる習慣ですが、実はその由来は19世紀のイギリスにまで遡ることができるんです。

今回の記事では、そんなバレンタインデーそのものの起源や、チョコレートとの関係について紹介します。

欧米でもチョコレートは人気のプレゼント

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イギリスのバレンタインデーは、必ずしも女性から男性へプレゼントを贈る日ではありません。むしろカップルや夫婦が互いに何かを贈るという習慣があります。送り手と受け手こそ日本と違いますが、バレンタインデーが恋人のための記念日で、その定番のプレゼントがチョコレートだというのは一緒です。日本よりチョコレートのウェイトはやや低いかもしれませんが、間違いなく人気のギフトです。

これはアメリカも一緒です。バレンタインデーと言えば、カード、花、チョコレートが3大ギフトとして定着しています。

つまり、バレンタイデーにチョコレートというのは必ずしも日本独自の文化ではありません。

ちなみに、上に載せた写真は近所のデパートで期間限定で売られていたシャルボネル・エ・ウォーカーという英国王室御用達の高級チョコレートです。

この時期にデパートに行くと、普段は売っていないようなチョコレートを期間限定で買うことができるのも、日本と全く同じです。

バレンタインデーの由来

バレンタインデーとチョコレートの関係について紹介する前に、そもそもバレンタインデーとはなんでしょうか?

聖バレンタイン

実はいくつかの説があります。由来となった人物すら何人かの候補がいるようで、どのバレンタインのことかもはっきりしていないようです。

一番有名な説としては、ローマ帝国時代のキリスト教の司祭であった聖ヴァレンティヌスからきているというものです。当時皇帝クラウジウス2世によって兵士たちの結婚が禁止されていたにもかかわらず、聖ヴァレンティヌスは秘密裏に兵士を結婚させていたと言われています。

結果的にはこれが皇帝にばれて、聖ヴァレンティヌスは処刑されてしまいました。この処刑の日が2月14日だったと言われています。

From Your Valentine

欧米では、バレンタインデーにチョコレートや花といったプレゼントとともに、カードを贈る習慣があります。クリスマスに次いでカードが売れるのがこの時期だそうです。

バレンタインデーのカードに書くお決まりの文句に”From your Valentine(あなたのバレンタインより)”というのがあります。これは、聖ヴァレンティヌスが処刑の前日に彼の看守の娘に送った手紙の中に"Your Valentine"と書いていたことに由来しています。

ルペカリア祭り

バレンタインデーが、恋人たちの記念日だったり、愛を告白する日になったり、ロマンティックな日になっていった背景にも諸説があります。

その一例が、ルペカリア祭りです。これは2月14日前後に行われていた豊穣の神ジュノを祝うお祭りです。この日、街の若い男は街の女性の名前が書かれた紙をくじびきのように引き、そこでペアになった男女が結婚するという儀式があったそうです(ちょっとおそろしい儀式ですが……)。

2月14日が恋人の日になったり、手紙を交換するようになったのはこの行事に起因するという人もいます(実際のところは怪しいようですが)。

チョーサーによるポエム

また、バレンタインデーとロマンスを結びつける話として、「カンタベリー物語」で有名なチョーサーのポエムがあります。

"Parlement of Foules"という彼の詩集の中に、

For this was on St. Valentine's Day, when every bird cometh there to choose his mate.

というフレーズがあります。

「バレンタインデーだから鳥達がペアとなる相手を見つけにやってくる」といった内容ですが、バレンタインデーを恋人探しに適した日と見なしているわけです。

実際に、2月は鳥達がメイティング(交配)する時期ということもあり、こんな所からも現在のバレンタインデーのイメージが出来上がってきたのかもしれません。

日本のバレンタインデー

ウィキペディアによると、日本のバレンタインデーは日本のお菓子メーカーなどがマーケティング戦略の一環として「バレンタインチョコレート」の広告を出したり、フェアを開催したことで普及してきたと言われているようです。

考えてみると、給料3ヶ月分の結婚指輪だったり、古くは平賀源内による土用のうしの日なんかも商売のためですね。日本人の商売っけもなかなかですね。

バレンタインデーの場合、モロゾフ、メリーチョコレート、森永製菓、ソニープラザといった会社が、バレンタインチョコの普及は自分の広告がきっかけと主張しています。歴史的にはモロゾフ(当時の神戸モロゾフ製菓)が1936年に出した広告が最初だったようですが、業界が数十年かけて文化を作り上げていったという感じでしょうか。

で、いよいよ本題ですが、実はイギリスではモロゾフの何年も前にバレンタインデーでうまく商売しようとした会社があったんです。

キャドバリーのチョコレート

現在ではイギリスのバレンタインデーでもチョコレートが定番のギフトですが、その文化は19世紀のビクトリア時代に遡ることができます。

もともとイギリスでは、18世紀には既にバレンタインデーにプレゼントやカードを交換するという文化がありました。その後、チョコレートメーカーの創業一族であったリチャード・キャドバリーがバレンタインデー用の綺麗なお菓子ボックスを売り出しました。当初はチョコレートに限られなかったようですが、時とともに可愛らしい箱にチョコレートを入れて贈るという風習が人気となっていき、これがバレンタインでチョコレートを贈る文化の起源とされています。彼が特許などをとっていたわけではないのですが、バレンタインデーの定番のハート型の箱は彼の発明だと言われています。

ちなみにキャドバリーは、イギリスのスーパーにいけばどこにでも売っている大衆的なチョコレートメーカーですが、実は英国王室御用達の認定を受けているすごいメーカーです。興味がある人は下の記事もご覧ください。

関連記事:英国王室御用達の安くて美味しいチョコレート「キャドバリー(Cadbury)」

イギリスには美味しいチョコレートが沢山

チョコレートと言えばゴディバに代表されるベルギーが有名ですが、実はイギリスにも美味しいチョコレートがたくさんあります。

有名なところでは、先ほど挙げた「シャルボネル・エ・ウォーカー」、またセレブが愛食することでも知られる「プレスタ」も人気です。

これらはいずれも英国王室御用達の高級チョコレートで、エリザベス女王はもちろん、過去には故ダイアナ元妃が足繁く足を運んだ店としてもしられています。

ともにパッケージがおシャンテイーなこともあって、ロンドン旅行のおみやげとしても人気です。機会があれば、是非食べてみてください。

キャドバリーとシャルボネル・エ・ウォーカーは日本でもアマゾンから購入できます。

 

プレスタは三越のオンラインショップで購入できます。同店ではゴディバなどの定番商品も多数販売されています。
・三越オンラインストア 食品