懐かしのゲームが一杯!映画『ピクセル (PIXELS)』レビューと3つの見どころ

Pixels

日本で生まれた数々のテレビゲームキャラクターたちが登場する全世界注目の映画『ピクセル (PIXELS)』。

アメリカでは7月末に公開されたようですが、僕が暮らすイギリスでも、日本より一足早く8月8日に公開されました。

今回の記事では、実際に映画館で観てきた感想と、この映画の3つの見どころを紹介します。

映画『ピクセル』のあらすじ

レビューの前に、この映画のあらすじを書いておきます。

1980年代頭に、アメリカはNASAを通じて、宇宙にビデオメッセージを送ります。このビデオの中には、地球の文化を紹介するため、アーケードゲームの映像が含まれていました。

このメッセージを見た地球外生命体は、あろうことかこの映像を宣戦布告と勘違いし、メッセージ内のゲームキャラクターの姿になって地球を征服しにきます。

地球にきた巨大ゲームキャラクターは、触れたものを全て三次元のピクセル変えてしまうという恐ろしい能力を持っていました。

この地球滅亡の危機に、アメリカ大統領は、幼馴染であり、当時のアーケードゲームのチャンピオン(正確には二位)だったサムや、そのゲーマー仲間などと共にゲームキャラクターを倒すために奮闘します。

この映画の3つの見どころ

ここ数ヶ月ずっと公開を楽しみにしていましたが、実際に劇場でこの映画を見た感想としては、期待通りの内容でした。
テレビゲーム好きの人はもちろんですが、そうでない人にとっても、娯楽作品として楽しめる内容です。
この映画はSFコメディという分類に入ると思いますが、ゲラゲラと爆笑するというよりは、クスりとできる部分が沢山ある映画になっています。

色々とお勧めしたいポイントはあるのですが、見どころを3つに絞って紹介してみたいと思います。

懐かしいゲームキャラクター達

まず第一の見どころは、何と言ってもこの映画のモチーフでもあるクラシックゲームのキャラクター達です。

冒頭でも書いているように、この映画には、日本生まれのゲームキャラクターが沢山でてきます(基本的に出てくるキャラクターは悪役になってしまうわけですが、、、)。

パックマン、ドンキーコング、ギャラガなどは、メインキャラクターとして登場しますし、あのマリオもちらっと画面に登場します。

僕自身は、これらのゲームにどんぴしゃな世代というわけではありませんが、日本が生んだこれらのキャラクターがハリウッド映画で大暴れするというのは、単純に誇らしい気持ちになります。

また、映像だけでなく、今から思えばちょっとチープな当時のゲームサウンドも取り入れられているのも、往年のゲームファンにはたまらないはずです。

ちなみに、この映画に出てくる全ゲームのリストは、下の記事にまとめています。

ハイクオリティなVFX

トレーラーでも分かると思いますが、さすがはハリウッド映画ということで、CGは非常にハイクオリティです。

もともとのゲームキャラクターは、30年以上も前に、二次元の非常に粗いピクセルで描かれたものですが、それらが見事に三次元に描き直されています。

粗いピクセルで作られたもとのキャラクターのオリジナリティと、三次元にした際のリアルさのバランスが絶妙で、違和感なく画面に溶け込んでいます。

この映画では宇宙からきた巨大ゲームキャラクターが、ニューヨークやロンドンの街を飛び回るわけですが、これらのキャラクターに触れられた建物や車などがピクセルになっていく場面は、高いVFX技術がなければ作り得ない演出です。

ちなみに、元々はゲームキャラクターが中国の万里の長城を破壊するという演出も計画されていたのですが、大人の都合で削除されたようです。

この件に関する詳細は、ロイターの記事(英語)が詳しいですが、今や超巨大なマーケットとなった中国に遠慮をしたようです。タージ・マハルはきちんとボコボコにされています。

また、ギャラガによって人間が別世界に連れ去られるシーンも上手く再現されています。ただし、人がピクセルになってしまう演出は、子供にとっては少し怖いかもしれません。

ちなみに、イギリスの場合、もともとこの映画は12歳未満は保護者同伴でないと見られないレイティングが設定されています(個人的には子供に見せても問題のない映画だと思っていますが、、、)。

魅力的な脇役たち

この映画では、アダム・サンドラー演じる主人公(本来の主人公はゲームキャラクターかもしれませんが、あくまでも人間の主人公)以上に、脇を固める人間が大変魅力的です。

中でも、もっともキャラが濃いのは、ゲーム・オブ・スローンズでもおなじみピーター・ディンクレイジ演じるエディです。

子供時代のゲーム大会では、主人公を破って世界一に輝いた実力の持ち主で、刑務所に服役中のところ、セレーナ・ウィリアムズ(本人もカメオ出演!)とのデートの約束などを条件に地球を救うチームの一員に加わります。

対パックマン戦では抜群の活躍を見せることになりますが、その戦い方がのちのち大問題になります。

口の悪いヒール役ながら、憎めないのはピーター・ディンクレイジならではでしょう。

この映画のヒロインであるバイオレットも非常に魅力的なキャラクターです。

バツイチで精神的にちょっと問題のある女性として描かれていますが、同時にアメリカ軍が誇る天才科学者として、ゲームキャラクター退治に重要な役割を果たします。

演じるミシェル・モナハンは、これまでにミッション・インポッシブルなどに出演している非常に美しい女優さんです。

また、主人公とは子供時代からの知り合いのジョシュもいい味を出しています。

彼は、いわゆる絵に描いたような三枚目の役柄ですが、映画の最初から最後まで、彼の純愛に関するエピソードが所々挟まれており、このエピソードは映画のオチにまで使われています。

この他にも、主人公の幼馴染で、ちょっとおバカお茶目なアメリカ大統領や、パックマンの生みの親のプロフェッサー・イワタニなどが映画を盛り上げてくれています。

突っ込みどころは満載、、、

というわけで、映画『ピクセル』は、様々な魅力がある楽しい映画でしたが、ご都合主義の部分も多く、細かいことを言い出せば突っ込みどころは満載です。

海外のレビューでもかなり色々と突っ込まれていますし、確かに脚本、演出ともに、ディテールの軽視は否めません。

主人公とヒロインの関係に関する部分をもっとコンパクトにして、主人公のオタクたちの日頃のダメっぷりやゲームキャラクターによる地球侵略の恐ろしさなどをもう少し丁寧に描けば、もっと分かりやすくカタルシスが得られる映画になったのではないかという気もしました。

ただ、そもそも宇宙から巨大ゲームキャラクターが攻めてくるといった荒唐無稽なアイデア一発で勝負している映画に対して、重箱の隅をつつくような指摘をしてもあまり意味がないかもしれません。

全米を泣かせたり、アカデミー賞作品賞を受賞するような映画ではありませんが、1時間40分の間、非日常的な世界に没頭することのできる映画なのは間違いありません。

最近テレビゲームと言えば、スプラトゥーンばかりやっていましたが、この映画の帰り道は、ちょっとレトロなゲームをやりたい気持ちになりました。