TVやネットは子供の成績を下げるのか?英大学の科学的な研究で明らかに

英ケンブリッジ大学の発表によると、TV、インターネット、コンピューターゲームに多くの時間を費やす子供は、そうでない子供に比べて学校の成績が劣ることが最近の研究で分かったようです。

14-16歳の845人を対象にした調査

この研究は、ケンブリッジ大学臨床学科のDr Kirsten Corderらの研究グループによるものです。

2015年9月4日付けで、一連の研究成果がInternational Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activityに掲載されていました。

同博士らは、14歳前後の学生845人の被験者に対し、日頃、彼らが座っている時間(TV、コンピューターなどのスクリーンの前、あるいは読書、宿題)と、全国統一テストでの成績を統計的に処理し、その相関を調査しています。

ちなみに、このテストはGCSEと呼ばれるもので、イギリスの学生が義務教育が終了する16歳前後で受ける全国統一テストです。

スクリーンの前で過ごす時間と成績は負の相関

結果は大方の予想通り、スクリーンの前で過ごす時間が長い学生ほど、統一テストでの成績は悪くなるようです。

TV、インターネット、コンピューターゲームの中では、TVを見て過ごす時間の長さが、テストの成績とは一番強い負の相関にあるという結果も出ています。

また、これも予想通りですが、読書、宿題に費やす時間は、基本的にはテストでの成績と正の相関(読書、勉強時間が多い学生は成績が良い)が認められています。

実は、読書、宿題の時間が4時間以上の学生の成績はあまり良くなかったようですが、これは、自宅での読書、宿題の時間が1日に4時間以上という学生はそもそも絶対数が少ないことに加え、いろいろな理由で学校に通えない学生の多くがこの層に含まれることが原因のようです。

なお、定期的な運動はテストの成績との相関は認められなかったようですが、少なくとも健康には良いので、奨励すべきだと結論づけられています。

因果関係は不明

論文の執筆者である、Dr Kirsten CorderとDr Esther van Sluijsはそれぞれ以下のように述べています。

今後、さらなる調査が必要だが、子供の成績が心配な親は、彼ら、彼女らがスクリーンの前に費やす時間を制限することを考えてはどうか。

 

私達は、スクリーンの前で過ごす時間を減らす試みは、ティーンエイジャーの成績と彼らの健康の両方にとって非常に大きな利益をもたらすものと考えている。

今回の調査は、スクリーンの前で過ごす時間とテストの成績を統計的に調査した「相関関係」を示すものなので、両者の「因果関係」については、詳しくは議論されていません。

Dr Kirsten Corderらが提言するようにTVの時間を減らせば成績が上がるのかといえば、個人的には疑問に思います。

TVやゲームの時間を、宿題や勉強の時間にあてれば成績は上がるでしょうが、子供はそう簡単に親の思い通りに動いてくれません。僕自身が子供の頃を振り返ってもそうですし、今は親の立場として嫌になるほど実感してます。

また、テレビやインターネットなどが、統一テストでは測ることの出来ない能力やスキルにどういった影響を与えるかもわからないので、現時点では判断が難しいというのが正直な感想です。

むしろ、今の時代、コンピューターやネットに全く触れさせないで育てるほうがリスクが大きすぎるだろうし。

いずれにせよ、印象論や個人の経験論で議論されがちな教育の分野でこういった実証的なデータが積み重なっていくのは非常に素晴らしいことです。

子育てや教育問題は身近なだけに、みんなが一家言持っていて、でもデータに基づいた議論って意外に表に出てこないんですよね。

今後も面白い研究があれば、この場で紹介していきたいと思います。

Use of TV, internet and computer games associated with poorer GCSE grades