英ファッション「Superdry」の流行と外国人の日本に対するイメージ

superdry「Superdry(スーパードライ)」というブランドを知っていますか?

日本で売られている洗練されたクリアな味のビールのことではありません。現在イギリスを中心にヨーロッパ全体でとても流行しているファッションブランドです。

世界中に店舗のあるこのスーパードライ、実は日本未上陸なのですが、日本とは切っても切れない縁があります。今回の記事では、このスーパードライの流行から、外国人が日本に対して持っているイメージについて考えみたいと思います。

イギリス発のファッションブランド「スーパードライ」

まずは、このスーパードライというブランドについてもう少しだけ詳しく紹介します。

ベッカムも愛用する人気ブランド

スーパードライは、2004年にイギリスのロンドンで生まれたファッションブランドです。

僕は今イギリスで暮らしているんですが、ロンドンはもちろん、地方都市に行っても、ここの服を着た人を沢山見ます。しかも老若男女。

Tシャツが1枚4000〜5000円という価格帯です。プラダやグッチといった高級ブランドとZARAやH&Mのようなファストファッションの中間の価格帯に位置するブランドで、アバクロなんかと近いポジションにあります。

ベッカムやジャスティン・ビーバーといったセレブが着用していることもあってか、イギリスを含む欧州で人気のブランドです。特にここ5年くらいの勢いはすごくて、2016年3月現在で世界46ヵ国に合計500を越える店舗があります。

下世話な話ですが、ブランドの創業者は今やイギリス有数のお金持ちになっています。

日本テイストが盛りだくさん

スーパードライのブランド戦略上の一番の特徴はなんといっても「日本」のイメージをふんだんに使用していることです。

例えば、この記事のトップに載せている写真はスーパードライの紙袋なんですが、Superdryという英語名の上に「極度乾燥(しなさい)」という怪しい日本語の直訳がついています。

この「極度乾燥(しなさい)」という奇妙な日本語は、どの店舗の看板にも大きく書かれています。でもこのブランドで使われる日本語は店名だけはありません。

下に載せたこの店のTシャツにも、JAPANの略であるJPNという単語と共に、「スペルドリ」という謎の日本語が載せられています。

superdry-jpn

スペルドリTシャツ(http://www.superdry.com)

初めて見た時は「スペルドリってなんだ?」と思いましたが、なんてことはない、Superdryをローマ字っぽく読んでカタカナ表記しただけです。

そして、下に載せたのは人気のOSAKAシリーズ。

superdry-osaka

大阪Tシャツ(http://www.superdry.com)

いろんなデザインやカラーがありますが、どれも胸に大きくOSAKAと書かれています。そして、このTシャツの裾には「会員証な」というこれまた意味不明の日本語……。

というように、このブランドのあちこちに日本、あるいは日本的なものがモチーフとして使用されています。

ちなみに、このブランドが使うおかしな日本語については、過去に別の記事でまとめています。

参考記事:『Superdry 極度乾燥(しなさい)』変な日本語、漢字のイギリス製ファッションブランド

日本製=かっこいい?

この純イギリスブランドのスーパードライを日本のブランドだと勘違いしている人は非常に沢山います。「スーパードライは日本じゃなくイギリスのブランドですよ」って何度イギリス人に説明したことか……。

ただ、これは無理もない話かもしれません。というのは、この会社自体がかなり戦略的にこのブランドが日本製だという印象を人々に与えようとしているふしがあるからです。

ここで僕がとても面白いと感じているのが、日本のテイストを取り入れたデザインやブランドイメージがヨーロッパの一般市民に広く受け入れられているということです。つまり、ヨーロッパの人々が日本っぽいものに対して非常にポジティブな印象を持っているということです。

もちろんファッションで言えば、もともと何十年も前から山本耀司や川久保玲らが海外の第一線で活躍してきました。でも、こういったハイエンドファッションに感心をもっているのは一部の層に過ぎません。

それに対して、最近のスーパードライの流行は、日本のデザインの魅力や日本製がかっこいいというイメージが海外のマス層にも浸透していることの現れなんじゃないかと思います。

ちなみに、イギリスでもUNIQLOは人気がありますが、これは日本のメーカーだからといったイメージよりは、純粋に商品のクオリティ、コストパフォーマンスの良さによるものでしょう。

クールジャパンってどうなの?

特に海外経験のある日本人の中には、「クールジャパンなどといって騒いでいるのは日本人だけw」としたり顔で言う人もいますが、なかなかどうして、日本ブランドというのは海外でも結構高い評価を得ている場合が多い気がします。

確かに井の中の蛙が声高に唱える日本礼賛には僕も辟易とすることがあるんですが、海外から純粋に評価されているものが沢山あるのは確かです。

ただ勘違いしちゃだめなことがあります。日本人がかっこいいと思うものが、必ずしも海外で受けるわけではないということです。日本人がクールと認識しているテイストと海外の人がクールと感じるものは違います。

その辺りをしっかりとマーケティングしていきながら、日本の魅力を海外に伝えていけるといいですね。

今回伝えたかったこと

このスーパードライがイケてるかどうかは置いといて、日本的なものに対してポジティブな印象をもってもらえるのは嬉しいことです。

ということで、今回伝えたかったことは次の3点です。

  1. 日本をモチーフにしたスーパードライというファッションブランドが海外で大人気。
  2. 海外には日本的なものをカッコいいと思ってくれる人が増えてきた。
  3. でも、日本の男性は欧米ではあんまりモテナイよね……。

それではまた。See you soon!

***2016年8月21日追記***

この記事で紹介したように、日本的なものに対してカッコいいという印象を持つ人が増えてきたものの、やはりまだまだステレオタイプなイメージも根強く残っていることが分かる動画を見つけました。

参考記事:ドナルド・トランプの応援動画にみる日本に対するステレオタイプなイメージ