TOEICの平均点が639点!最近の小学生の英語力ってすごい。

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最近たまたまネットで読んだTOEICの公式レポートの中に凄い情報を見つけました。

このレポートは、受験者のスコアが色んな切り口で整理しているんですが、なんと小学生のTOEIC平均スコアは639点だそうです。

TOEICの公式レポートより

この衝撃のデータが載っていたのは、"DATA & ANALYSIS 2014"というタイトルのレポートで、TOEICを主催するETSから出されているものです。

TOEIC受験時のアンケート結果をもとに、受験生の色んなデータが整理されています。

で、今回紹介したいのがこちらのデータ。

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所属学校別受験者数と平均スコア(DATA & ANALYSIS 2014)

受験者が通う学校(小学校、中学校、高校など)ごとに、平均スコアがまとめられています。

冒頭の繰り返しになりますが、小学生の平均スコアはなんと639点!

満点が990点なので、かなりの高得点です。

すごくないですか?大学院生より高い平均スコアなんですね。

DATA & ANALYSIS 2014 (ETS)

英語の早期教育の効果?

小さいお子さんがいる人は知っているかもしれませんが、平成23年度から新学習指導要領が実施されるようになって、小学5年生、6年生は年間35単位の外国語学習が必須になりました。

僕は海外に住んでいることもあって、日本の教育事情に通じているわけではありませんが、この指導要領の運用が開始されてからそれほど時間がたっていないにもかかわらず、早くもその効果がでているんでしょうね。

このブログでも過去に紹介したとおり、日本人の英語力というのは世界的にみて必ずしも高いわけではありません。ただ、この小学生のスコアを見る限り、日本の将来には明るい光がさしているじゃないかと思います。

グローバル社会と言われる今、社会人はもちろんのこと、高校生や大学生も、小学生には負けてられないですね。

統計の罠

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ここまで読んで「お前はアホか」と思ってくれていたらいいです。

逆に、最近の小学生の英語力に感心したり、自分も頑張らなきゃと感じてしまった人は、ぜひ引き続き読んでみてください。

このデータはTOEIC関する正真正銘の公式なレポートによるものですが、実はデータを読み解く上で非常に典型的な罠が潜んでいます。

TOEICを受験する人ってどんな小学生でしょう?

普通の小学生はまずTOEICなんか受けませんよね。こんな英語の試験を受けるのは、帰国子女だったり、インターナショナルスクールに通ってるとかで、ある程度英語ができる子供がほとんどだと思います。

実際に調査対象となっている数も、他の集団と較べて圧倒的に少ないです。

つまり、このデータは小学生の平均を反映していないんです。もし全国の小学生全員にTOEICを受けさせたら、その平均点は100点にも満たないでしょう。

一方、高校生や大学生は、学校で斡旋されたり、受験や就活で受けざるを得ない人が沢山います。

つまり、必ずしも英語が得意でない人も受けるので、各集団の平均をそれなりに反映するようになるわけですね。

国別平均点で最下位の日本人

時々ニュースとかで、「日本人はTOEICやTOEFLの平均スコアがアジアで最下位」と、煽るような記事をみかけますが、これも上の議論とまったく同じです。

こういうインチキは信じる必要はありません。記事の最後にはだいたい胡散臭い英語教材の広告が載っているはずです。

TOEICやTOEFLのように受験費用の高いテストを受けられる人は世界でも限られています。TOEFLなんて、25,000円以上しますからね。

特に、比較的賃金水準の低い東南アジアなどでこういった試験を受ける人というのは、海外留学を予定している人など、極めて限られた人だけです。

そういう国の平均が高いのは当たり前です。

過去のTOEICでは、英語圏であるはずのカナダの平均点が世界で8位だったというデータもあります。

これも、カナダでTOEICを受ける人を想像すれば納得です。

普通の日本人のほとんどが日本語検定を受けないように、カナダで生まれてカナダで育った人の多くはTOEICを受けません。受けているのは、移民だったり、たまたまカナダに滞在している非英語圏の外国人がほとんでしょう。

不思議に感じたらちょっと考えてみましょう

今回の小学生のTOEICのデータは、公式なレポートの数字なので、その数字自体の信頼性は高いです。

多くの情報が氾濫する中、一次情報を探したり、ソースの信頼性を確認するのはとても大切なことです。でも、それだけでは不十分な場合も多いことを知っておく必要があります。

あるデータを見た時に「なんか思っていたのと違うな……。」と感じたら、その情報をすぐに鵜呑みにするんじゃなくて、「なんでだろう?」と、その裏に何かカラクリがないかを考えるくせをつけましょう。

典型的な統計の罠について知っておくというのも大事です。興味がある人は、「統計でウソをつく法」という本を読んでみてください。

かなり古い本ですが、世界的にも非常に有名な古典的名著です。